医療現場における教育の課題を解決する医療シミュレーションプログラム「GrowSIM®~救急初期診療編~」CERCITと東北大学の産学連携プロジェクト
2024.5.7 Tue
産学連携発表のポイント
- CERCITと東北大学との共同研究による、救急初期診療に携わる医療従事者向けのシミュレーションプログラム
- 専門医監修による“エッセンシャルかつ診療能力を伸ばす”10のシナリオ
- シナリオ進行と記録、効果的な学習の振り返り「デブリーフィング」がワンクリックでできるシステム
- 指導者の負担を軽減し、学習者にはこれまでにない効果が期待される新プログラム
概要
医療教育用品の開発・販売を行う株式会社CERCIT(本社:宮城県仙台市、代表取締役CEO:横川裕大(よこかわ ゆうた))は、東北大学大学院医学系研究科救急医学分野の久志本成樹(くしもと しげき)教授、工藤大介(くどう だいすけ)准教授、佐藤哲哉(さとう てつや)助教、小林正和(こばやし まさかず)助教(現:みやぎ県南中核病院)、東北大学クリニカル・スキルスラボの荒田悠太郎(あらた ゆうたろう)助手らとの共同研究により、「GrowSIMⓇ(グロウシム)~救急初期診療編~」として、シミュレータ及び周辺機器を活用した教育プログラムを開発し、2024年5月1日にサーキットから全国販売を開始します。
詳細
「GrowSIM Ⓡ」は、救急診療を行う技能やチーム医療トレーニングを効果的に行い、同時に、指導者の負担を軽減できるプログラムです。
専門医が監修したシナリオを簡単な端末操作で進行することができます。学習者の行動を記録することで、トレーニング後にポイントをおさえた振り返りを行うことが可能です。
シミュレーショントレーニングは、知識や技能の習得とともに、ノンテクニカルスキルの獲得において、従来の教育法よりも効果的であることが示されています。医師臨床研修指導ガイドライン等でも、重要性が述べられています。一方、指導者の準備や指導への負担は大きく、働き方改革により時間的な制約も生まれています。
「GrowSIM Ⓡ」は、こうした医療教育の課題を解決するために作成された、指導者を支援し、効果の高い教育を学習者に提供するプログラムです。救急初期診療編では、救急外来で多く遭遇する症状の実践的なシナリオを東北大学病院高度救命救急センターと共同で考案し、シナリオに即して医療シミュレータを効率的に動作させる独自のデータとテキストを開発しました。研修医・専攻医による診察や病態評価、臨床推論能力、さらに、チーム医療実践能力を向上させることが期待できます。
共同開発の経緯
東北大学クリニカル・スキルスラボ(以下クリニカル・スキルスラボ)は、東北大学内に設置された医療研修施設として、全国の医療従事者及び医療系学生への教育を展開しており、シミュレータ(病気にかかった人体の症状をシミュレーションで再現できる人形)を用いた研修に豊富なノウハウを有しています。一方、シミュレーション教育を実践する指導者は、シミュレータの特性や操作、教育手法に関する一定の理解が必要であるため、指導者の育成に課題がありました。複雑な操作を必要とせず、指導者がシミュレーション教育を簡便に導入できるシステム開発のニーズが高く、今回の開発につながっています。
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学クリニカル・スキルスラボ 助手
荒田 悠太郎
TEL:022-717-8867
Email:yutaro.arata.d4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
東北大学病院広報室
TEL:022-717-8032
Email:press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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