TOHOKU MEDICINE LIFE NEWSROOM

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国内初 土曜日のみの放射線治療「Weekend Radiotherapy」を開始
-働く世代や遠方に住むがん患者に新たな治療機会を提供-

発表のポイント

  • 東北大学病院は国内で初めて、毎週土曜日に放射線治療を実施する体制を整え、2025年1月11日(土)より土曜日のみの前立腺がんの放射線治療を開始します。
  • 従来、前立腺がんの放射線治療は、連日の通院が必要でしたが、現在は、MRリニアック(注1)を利用して週1回の照射を2回のみ行う新たな治療法の開発が進んでおり、患者の負担を少なく治療を進めることが可能となりつつあります。
  • 今回の取り組みにより、働く世代や、遠方に住む患者とその家族が治療と仕事や生活とを両立できるよう支援します。

概要

東北大学病院(張替秀郎 病院長)は、国内で初めて週末(土曜日)の放射線治療「Weekend Radiotherapy」を実施する体制を整え、2025年1月11日(土)より土曜日のみの放射線治療の提供を開始します。しばらくの間、対象は前立腺がんに限られます。
同院の放射線治療科(神宮啓一科長)は、2022年2月から先進的なMRリニアック(磁気共鳴画像と放射線治療を組み合わせたシステム)を用いた治療を行なっています。しかし、働いている方や遠方に住む高齢者などは平日に連日通院することが難しく、ご家族も平日に連れてくることが難しいという課題がありました。特に、前立腺がんは、働く世代にも発症しやすい疾患ですが、従来の放射線治療では連日通院が必要なため、仕事や生活との両立も課題となっていました。
今回開始する「Weekend Radiotherapy」では、前立腺がんを対象に、毎週土曜日にMRリニアックによるがん放射線治療を実施し、平日の通院が困難な働く世代の患者や、都市部から離れた地域に住む患者など、より多くの方に最新のがん治療機会を提供します。
また、前立腺がんの治療法は進化を続けており、近年では週1回の照射を2回のみ行う新たな治療法が臨床試験で実施されています。この新たな治療法と週末の治療を組み合わせることで、身体的・経済的負担が少なく、仕事や日常生活に支障をきたすことなく治療を受けられるようになることやがん治療の地域格差の改善への貢献が期待されます。

張替秀郎病院長のコメント

東北大学病院は「先進の医療を優しさとともに」という理念のもと、患者さんに寄り添いながら、一人ひとりに合わせた質の高い医療の提供に努めています。この度「Weekend Radiotherapy」を開始することにより、時間的な制約や東北地区特有の広い地域におけるアクセスの悪さから治療が難しかった患者さんに新たな治療機会を提供できるようになります。本取り組みを通じて、がん患者さんの治療環境の改善や、働きながら治療を受けることができる社会の実現に貢献してまいります。

受診希望の方へ

予約には紹介状が必要です。詳しくはかかりつけ医にご相談ください。

用語説明

注1.MRリニアック: 高磁場 MRI 装置と放射線治療装置であるリニアックが融合した高精度放射線システム。MRI により治療直前に腫瘍の形状、大きさ、位置を明瞭な画像で抽出し、補正できるために集中した放射線を照射することが可能となり、周辺の正常組織への影響を最小限に抑えることができる。

問い合わせ先

(診療に関すること)
東北大学病院 放射線治療科
TEL:022-717-7732

(報道に関すること)
東北大学病院広報室
TEL:022-717-8032
Email:press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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