TOHOKU MEDICINE LIFE NEWSROOM

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東北大学による健康寿命延伸への挑戦 ヘルススパン研究センター(HeSReC)が始動 ―健康寿命を延ばし、元気で長生きする社会の実現へ―

発表のポイント
  • 健康寿命延伸を目指し、老化研究のエキスパートが集結する部局横断型の新組織「ヘルススパン研究センター(Healthspan Research Center:HeSReC)」を2026年4月に設立しました。
  • 基礎研究と臨床応用研究の強力な連携により、研究開発から社会実装まで一気通貫の研究体制を構築します。
  • 本学の貴重な研究リソースを最大限に利活用し、AI解析技術との融合により、老化状態を正確に評価する指標(老化バイオマーカー)を創出します。
  • 国際的な長寿臨床コンペティションへの挑戦やスタートアップ創出を通じ、日本発の老化抑制法を世界へ発信し、新たな長寿産業を創出します。
概要

日本が直面する超高齢社会における最大の課題は、平均寿命と健康寿命(ヘルススパン)の間に存在する約10年のギャップにあります。この期間には病気や生活への支障が生じる可能性があり、個人の生活の質が損なわれるだけでなく、家族や社会に大きな負担が生じえます。健康寿命を延ばし、元気で長生きする社会を実現するため、国立大学法人東北大学(仙台市青葉区、総長:冨永悌二)は、2026年4月1日、「ヘルススパン研究センター」(センター長:片桐秀樹)を創設しました。
本センターの特徴は、老化研究のエキスパートが部局の垣根を越えて連携し、基礎研究から社会実装までを速やかに繋げる新しい研究開発体制にあります。この体制のもと、「複雑な老化の仕組みの解明」、「新しい薬や予防法の開発」、そして「社会実装」を一気通貫で進めます。東北大学の強みである老化研究の実績、コホートデータをはじめとする独自の研究リソース、臨床研究のノウハウを融合させることで、健康長寿延伸の実現に向けて世界をリードします。

詳細な説明

背景
日本は世界一の長寿国ですが、その一方で、亡くなるまでの約10年間は、日常生活に制限が生じ、介護を必要とする期間となっているのが現状です。人生の最期まで自立し、自分らしく元気に過ごせる社会を実現するためには、この「10年のギャップ」を埋める革新的な技術の創出が不可欠です。
しかし、従来の老化研究は細胞や動物を用いた実験が主流であり、ヒトにおける老化メカニズムの解明や老化状態を客観的に測定する手法の確立に至っていません。そのため、優れた基礎研究の成果が実際の治療やサービスまで届かない、いわゆる「死の谷」が、ヒトへの臨床応用と社会実装を阻む大きな障壁となってきました。

今回の取り組み
東北大学が新たに設立する「ヘルススパン研究センター」では、基礎研究と臨床応用研究を密接に結びつける研究開発体制を構築して「死の谷」を克服し、以下の3つの目標を柱として活動します。

1.  老化を抑える新しい技術を社会に届ける:新しい薬の開発を軸に、世界的な長寿臨床コンペティションへの挑戦、スタートアップ企業の設立や病院・クリニックとの連携を通じて、日本初の革新的な老化抑制法を社会に届けます。

2.  免疫・炎症・代謝のバランスを整えて健康寿命を伸ばす:免疫や代謝、臓器同士の繋がりによって複雑に調節される老化の仕組みを解き明かし、そのバランスを整えることによって健康寿命を伸ばす新しい技術を開発します。

3.  体の様々なデータから老化の指標(バイオマーカー)を見出す:本学独自の大規模データと最新技術により得られる体の詳細なデータをAIで解析することで、老化状態を正確に評価するための新たな老化バイオマーカーを見つけ出します。

今後の展開
本センターの活動により、科学的根拠に基づいた老化抑制法が普及すれば、個人や家族の幸福度の向上は勿論のこと、将来的に医療・介護費の負担軽減につながることが期待されます。また、研究活動をグローバルに展開することにより国際的な研究拠点としての地位を確立し、東北から世界へ健康寿命を伸ばす革新的な技術を発信していきます。超高齢社会を「負担」として認識するのではなく、新たな産業や価値が生まれる「チャンス」へと変えていくことを目指します。

図1. HeSReCの概要
図2. HeSReCの組織体制
問い合わせ先

(センターに関すること)
東北大学ヘルススパン研究センター事務局
TEL: 022-717-8597
Email: ida-iso*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学パブリックリレーションオフィス 報道担当
TEL: 022-217-4816
Email: press*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

関連資料
プレスリリース資料(PDF)
関連リンク
東北大学 ヘルススパン研究センター