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〔いのち)の可能性をみつめる

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200回特別編インタビュー

張替秀郎(東北大学病院 病院長)

健康管理、確かな情報で

 日頃の体の不調や疾患との関連、治療などを東北大病院の専門ドクターが解説する「気になる症状 すっきり診断」が今回で200回を迎えた。病気に関する情報との向き合い方や、高齢化が進む中での課題、大学病院が果たす役割や地域医療の今後について、張替秀郎病院長に聞いた。

最新の知見紹介

 -2017年3月に始まり、各分野の医師が「頭痛」や「せき」といった身近な症状などを切り口に、注意すべき疾患や治療の最前線を解説してきた。

 「最新の知見を幅広く紹介し、『こういうことは気にしてほしい』というポイントを分かりやすく伝えることに努めてきた。今後も、病気の予防や早期の受診のきっかけとなる情報の発信を目指したい」

 「SNS(交流サイト)を含め、インターネット上には、病気などに関する偏った情報があふれているのも事実だ。冷静に見極める姿勢が求められる。『すっきり診断』では、専門の医師たちが名前を出して、根拠に基づき解説している。信頼性のある情報として健康管理に生かしてほしい」

-高齢化が加速している。

 「高齢になると、1人が複数の疾患を抱えるケースが多い。この症状だからこの疾患、と断定できない部分が多いことを踏まえつつも、シンプルに分かりやすく伝える工夫をしたい」

社会課題解決を

 -病院は今年、開設110周年を迎えた。

 「この10年の社会環境の変化や医療の進歩は、その前の20~30年に匹敵すると感じる。新型コロナウイルスの感染拡大があり、技術面ではロボット手術やゲノム情報に基づく治療など新たな医療が急速に進んだ。大学病院として、先進的な医療のスペシャリストの育成は今後も重要な責務だ」

 「東北では人口減少と少子高齢化が加速しており、地域をつなぐ医療技術の開発など、社会課題の解決に向けた取り組みも求められる」

 -今後、東北大学病院が果たすべき役割は。

 「地域のセンター病院、最後のとりでとして、難治性の疾患などに対応するという立ち位置は今後も変わらない。『先進の医療を優しさとともに』との理念を掲げており、最新の治療や専門性を重視しつつ、患者さんに寄り添う全人的な医療を届けたい。スタッフが心身を良好な状態に保つことは不可欠で、働き方改革など環境づくりに力を入れている」

医療連携の要に


 -宮城県内では仙台医療圏の病院再編の動きがある。

 「仙台市でも少子高齢化が進み、人口減少局面に入ることが見込まれる。高齢者の慢性疾患などの医療需要が増す可能性があり、ニーズの変化に応じ、地域全体で病院の役割分担や規模を検討する必要はある。診療報酬の抑制や物価の高騰で、全国的に病院経営が厳しくなっている。議論もないまま、地域の病院が急に『共倒れ』するような事態は避けなければならない」

 「病院、診療所などの医療連携はさらに重要だ。カルテの共有などで患者の紹介がスムーズになり、医師の負担も抑えられる。大学病院として連携の要の役割を果たしたい」

河北新報掲載:2025年9月12日

張替 秀郎
(はりがえ ひでお)

茨城県出身。1986年東北大学医学部卒業。2007年東北大学大学院医学系研究科教授。東北大学病院臨床研究推進センター長などを経て、23年4月から現職。24年から東北大学理事・副学長も務める。専門は血液内科学。

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