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多様なキャリア観やSNS/AIなどのスキルの実態と経済・生活・健康との関連を分析 -東北大学とアドネスが共同研究を開始-

発表のポイント
  • 東北大学とアドネス株式会社は、多様なキャリア観やSNS/AIなどのスキルの実態と、個人の経済状況(年収など)、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)、心身の健康状態(労働生産性・アブセンティーイズム、ウェルビーイング等)との関連を分析する共同研究を開始しました。
  • 年齢・学歴・ライフステージ等の社会経済要因を含む多様な背景因子に注目し、全国約3万人を対象としたインターネット調査データ(JACSIS/JASTIS研究)を用いて、疫学および統計学の手法で横断研究および縦断研究を行い、論文出版を目指します。
  • 本研究で得られる知見は、多様化する働き方に対応した企業制度の設計や、個人のキャリア形成を支援するための教育プログラム開発、政策提案につながる可能性があります。
概要

近年、多様化する働き方やキャリア観が注目される中で、「一つの専門性や肩書き、会社に縛られず、様々なキャリアを志向する考え方」や、SNS/AIなどのスキルや様々な資格が、個人の経済状況や生活の質、心身の健康状態にどのような影響を与えるのかが関心を集めています。しかし、その実態や関連性を包括的に捉えた科学的知見は十分とは言えません。
東北大学大学院医学系研究科(所在地:宮城県仙台市、研究科長:石井直人、以下「東北大学」)とアドネス株式会社(本社:東京都新宿区、代表: 三上功太、以下「アドネス」)は、2025年9月から、多様なキャリア観やスキル・資格と、個人の経済状況(年収など)、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)、心身の健康状態(労働生産性・アブセンティーイズム、ウェルビーイング等)との関連を分析する共同研究を開始しました。本研究では、東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野の田淵貴大准教授が研究代表者を務め、2020年から毎年調査を実施している、日本全国の18-79歳の男女、一般住民約3万人を対象としたインターネット調査プロジェクトJACSIS/JASTIS研究1の既存のデータを用い、疫学および統計学の手法により、横断研究および縦断研究を実施し、労働・仕事に関する人々の考え方やSNS/AIなどのスキルや資格の実態と年齢、学歴、ライフステージ等の様々な背景要因を含めた社会・生活・健康との関連を科学的に分析します。
得られた研究成果は、多様な働き方に対応した企業制度の設計や、個人のキャリア形成を支援する教育プログラム開発や政策提案のための知見として活用されることが期待されます。将来的には、研究成果の蓄積を通じて、社会実装にも取り組んでいきます。

(左)アドネス株式会社 代表 三上功太 (右)東北大学大学院医学系研究科 准教授 田淵貴大
詳細な説明

研究の背景
現代社会において、働き方やキャリア観は急速に多様化しています。「一つの専門性や肩書き、会社に縛られず、様々なキャリアを志向する考え方」を持つ人が増え、SNS/AIなどのスキルや様々な資格など、新たな武器を活かす働き方も広がっています。
しかし、これらの要素が個人の経済的状況やワークライフバランス、心身の健康(労働生産性やアブセンティーイズム、ウェルビーイング等)に与える影響について、体系的な科学的分析が不足しています。年齢、学歴、所得、家族構成、職業などの背景要因も複雑に関わっており、包括的な検証が求められています。

今回の取り組み
東北大学とアドネスは、2025年9月より、多様なキャリア観やスキル・資格と、経済・生活・健康との関連を明らかにすることを目的とした共同研究を開始しました。東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野の田淵貴大准教授が研究代表者を務め、2020年から毎年調査を実施している、日本全国の18-79歳の男女、一般住民約3万人を対象としたインターネット調査プロジェクトJACSIS/JASTIS研究の既存のデータを用いて、疫学および統計学の手法を活用し、集団間の比較や回帰分析を行い、調査項目に応じて横断研究および縦断研究を実施します。アドネスは、研究結果の解釈や成果のまとめにおいて現場の知見から貢献し、研究成果を広報する、また、社会実装につなげる取組みを考案する役割を担います。必要に応じて研究期間の延長も実施し、知見を蓄積していきます。
国立大学法人東北大学大学院 医学系研究科 公衆衛生学分野
長年にわたる大規模調査の実績と、日本の公衆衛生学をリードしてきた豊富な知見を活かし、研究全体のデザインや高度なデータ解析を担当します。研究の信頼性を担保する「科学的知の拠点」としての役割を担います。
Webサイト:https://www.med.tohoku.ac.jp/
アドネス株式会社
スキルを学ぶことができる教育サービス提供のノウハウを活かし、研究で得られた専門的な知見を、一般の方や企業に分かりやすく伝える役割を担います。研究成果を具体的な教育サービスなどへ応用(社会実装)する出口戦略を検討していきます。
Webサイト:https://addness.co.jp/

今後の展開
本共同研究の成果は、国内外の学術論文として発表するとともに、テーマに沿った複数の研究成果を蓄積し、関連性を明確化していきます。将来的には、本研究で明らかになった知見をもとに、因果関係の検証を目的とした社会実装研究や介入研究へと発展させ、企業の制度設計や個人のキャリア支援施策の推進に貢献していきます。

用語説明
  1. JACSIS/JASTIS研究については下記WEBサイトの説明も参照ください。
    https://jacsis-study.jp/ および https://jastis-study.jp/ ↩︎
問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野
准教授 田淵 貴大(たぶち たかひろ)
TEL:022-717-8123
Email:takahiro.tabuchi.a5*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください) 

(報道に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
TEL:022-717-8032
Email:press.med*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

関連資料
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公衆衛生学分野