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〔いのち)の可能性をみつめる

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好奇心が原動力。複数の資格をリハビリ指導に生かす

阿部允哉(東北大学病院 診療技術部 リハビリテーション部門)

現在の仕事を志した経緯と、これまでの経歴を教えてください。

友人の手術がきっかけで理学療法士という仕事を知りました。元々、人と関わる仕事をしたいと思っており、調べていくうちに働きがいのある仕事だと分かり、面白さも感じ、目指すようになりました。小学校から高校まで部活一本だったため、大学に入ってからは今まで以上に勉強が大変でしたが、良い友人や先生に恵まれ、理学療法士になることができました。

大学卒業後、栗原市立栗原中央病院に入職し、幅広い診療科のリハビリテーション業務に従事していました。その後良い機会に恵まれ、2020年より東北大学病院に入職しました。現在は主に整形外科疾患、脳神経外科疾患、スポーツ疾患のリハビリテーションに携わっています。2017年にはトレーニング指導者(JATI)の資格を、2022年にはピラティスインストラクター(PHI)の資格を取得しました。

ピラティスインストラクター(PHI)やトレーニング指導者(JATI)の資格を取るきっかけは何でしたか?

PHIの資格は、興味本位でピラティスのレッスンを受けたのがきっかけです。体幹に自信のあった自分でも細かな動きの難しさや体のゆがみ・弱さを痛感し、翌日は全身筋肉痛になりました。思うように体を動かせなかった悔しさと、エクササイズの奥深さやバリエーションの豊富さに魅了され、もっと深く学びたいという思いから資格取得を決意しました。現在は、入院の方や外来のスポーツ選手などに、呼吸と動きの統合アプローチや再発予防、セルフエクササイズとして臨床に活用しており、左右差や筋力の弱さを自覚してもらいやすく、主体性を引き出す上でも非常に有効だと感じています。

JATIは、フィットネスやスポーツ選手、リハビリ後の方に、科学的根拠に基づいた運動指導ができる専門家(=トレーナー)の資格です。これまで多くのスポーツ選手を担当しており、アスレチックリハビリテーションの知識を深め、実戦復帰するまでの流れやアプローチを学びたかったため、資格を取りました。競技復帰するまで何が必要なのかを理解することで、先を見据えたリハビリを提供できています。

東北大学病院に入職したきっかけは?

各分野においてプロフェッショナルな先生方とは、セミナーや学会を通じて面識がありました。その中で「これまでの知識・技術を、より専門性の高い環境で発展させたい、自身の力がどこまで通用するのかを確かめたい」と強く感じていました。幸いにもご縁があり、機会をいただけたことから、迷わず挑戦を決意しました。

現在の仕事で大切だと思うことを教えてください。

仕事をする上で大切にしていることは、「コミュニケーション」と「好奇心」です。理学療法士は患者さんと接している時間が長いため、他の職種と比べても特に「コミュニケーション」は大切だと思います。そのため、私は行動心理学を基にコミュニケーションの取り方を考え、信頼関係を築くように心がけています。

私の座右の銘は「好奇心に勝る天才なし」です。好奇心こそが行動や成長の原動力だと思うので、常に「なぜ?」という探究心を持ち、楽しむようにしています。

これから頑張っていきたいこと、目標などはありますか?

これまで病院に勤めてきて、入院中のリハビリはとても大切ですが、病気やけがを防ぐための予防的な介入、退院後やスポーツ復帰に向けたケアの重要性を実感しています。また、宮城県は全国的に見ても運動習慣のある人の割合が低く、メタボリックシンドロームの該当率も高いという地域課題を抱えています。この課題を解決するために、医療機関と連携しながら、地域の健康増進・スポーツ選手のサポートに貢献できるようなピラティススタジオやトレーニング施設を立ち上げることが夢です。

趣味や続けていることはありますか?

サウナによく行きます。サウナに入ることで、集中力アップ、睡眠の質向上、ストレス軽減、パフォーマンスの向上、脳波にも好影響を与えるため、定期的に通うようにしています。サウナが好きすぎるあまり研究を行い、サウナ学会に演題を出したところ、優秀賞に選ばれたこともあります。サウナに行ってみたいけど入り方が分からない、どんな効果があるのか知りたい方、気軽にお声掛けください(笑)。

日本サウナ学会2022年研究奨励賞
テントサウナ

阿部 允哉(あべ まさや)

宮城県出身。理学療法士。東北文化学園大学卒業。2020年より東北大学病院に勤務。ピラティスインストラクター(PHI)、トレーニング指導者(JATI)の資格を持つ。

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