私の東北大学病院(後編)
森公美子
2025.4.21 Mon
病院前に実家があり、祖父から大学病院には重篤な方の搬入が多いと聞いていたので、救急車の音を聞くと「今、大変な状況なんだ!風邪を引いたからと行ける所では無い!」と思っていました。
今ではこんな感じですが…未熟児で生まれ、先生からも「この子の命はこの子が持つ生命力だけです」と言われた事もありました。幼少の頃は風邪を引きやすく、小児喘息に扁桃腺熱で、学校も休みがちで、小児リウマチまで抱え、熱が下がらなく、体をいつも氷嚢で冷やされていました。翌年、扁桃腺を除去したら無敵な子になって、両親は信じられないと驚いていました。
入院中、病室に響く酸素のポコポコという音が(当時の酸素吸入)意外と不規則で、三連音符の時もあるし、定期的に4分の4の時もあるけど時々2連音符にもなる。そのことを先生と看護師の方に話したら、そんなはずは無いと仰って…後に調べると定期的に送られる酸素も量によって変わると知りました。寝たきりの体には、全てが音楽に繋がっていて、当時は、まさか自分が音楽を生業にする職業に就くとは思っていませんでしたが、母はその時のことをよく語ってくれました。そんな私がこんなに大きく、寧ろ大き過ぎるくらいに成長し、仕事が出来ているのは、その時の先生達のおかげかもしれませんね!

森 公美子
宮城県出身。絶大な歌唱力と魅力的なキャラクターでTVや舞台などで幅広く活躍。ミュージカル『Les Misérables 』2024年12月〜2025年公演にて、テナルディエ夫人役で出演。
※東北大学病院広報誌「hesso」47号(2024年12月25日発行)より転載
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- 東北大学病院広報誌「hesso(へっそ)」