TOHOKU MEDICINE LIFE MAGAZINE

東北大学医療系メディア「ライフ」マガジン

TOHOKU UNIVERSITY SCHOOL of MEDICINE + HOSPITAL

〔いのち)の可能性をみつめる

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〔いのち)の可能性をみつめる

感染症治療で救える命を増やそうと、分野横断しながら薬剤耐性菌に挑む

岡峯 真優(東北大学大学院医学系研究科保健学専攻 感染病態学分野)

大学院に進学した経緯を教えてください。

卒業研究時から取り組んできた研究で試行錯誤を繰り返す中で、感染症治療の社会的な緊急性や研究内容の複雑さを実感し、研究テーマをさらに深め、より本質的な課題解決に挑戦したいという思いが強くなりました。また、研究を通じて幅広い経験を積みながら、自分で課題を考え主体的に研究する力や、その成果を分かりやすく発信する表現力を身に付け、改めて自身の将来の方向性を考えたいという思いもあり、進学を決めました。

進学後、どのような力が身に付いていると感じますか。

課題の本質を捉えて結果を論理的に考察する分析力、そして、相手の立場に合わせて分かりやすく伝える力が身に付きました。もともと私はアウトプットがあまり得意ではなく、研究発表の際に自身の考えをうまく伝えられず、もどかしさを感じていました。しかし大学院では研究報告の機会が多くあり、医学系研究科と理学研究科で連携して研究を行う中で、異なる分野の方々に研究の現状や仕組みを分かりやすく伝える必要があります。常に試行錯誤を重ね、どうすれば専門外の分野の方にも理解してもらえるかを考えながら研究を進める経験を通じ、少しずつではありますが、研究内容を整理して相手に合わせて分かりやすく伝えるコミュニケーション力が身に付いていると感じます。

現在取り組んでいる研究テーマと、そのテーマに決めた理由は。

「薬剤耐性菌に対する新規抗菌ペプチド薬の開発」で、卒業研究時にこのテーマに出合いました。研究室で初めて取り組むテーマであり、新しいことに挑戦したいという好奇心から選びました。現在、薬剤耐性菌による感染症は世界的な課題となっており、何も対策を講じなければ2050年には死亡原因の1位になると予測されています。毎週参加している勉強会で、ある先生から「さまざまな疾患がある中で、感染症は治すことができる分野である」というお話を伺い、多くの人の命が救える可能性に使命感を抱き、感染症の研究に注力しています。

研究室はどのような雰囲気でしょうか。

穏やかでコツコツ努力する人が多く、研究とプライベートを両立しながら充実した学生生活を送っている人が多い印象です。少人数ということもあり、学年や研究テーマを問わずみんな仲が良く、困ったときはお互い助け合っています。私は青葉山キャンパスで実験することが多いため、星陵キャンパスの設備や研究室の業務に不慣れなところもあるのですが、皆さん快くフォローしてくれ、支え合いながら研究に取り組める雰囲気があります。春には歓迎会、夏には暑気払い、秋には芋煮会とイベントも多く、メリハリをつけて楽しみながら活動しています。

研究をする上で感じる東北大学の良いところは?

研究に最適な環境が整っているところです。私は理学研究科と連携し、青葉山キャンパスでも研究を行っていますが、1つの研究テーマに対してそれぞれの分野の専門家が連携することで、強みを補完し合えるだけでなく、多角的な視点から研究を進められる環境にあると感じています。海外の大学とも連携して研究を行っており、国内外問わず最先端の研究に触れられる点も魅力で、常に刺激を受けながら成長させていただいています。初めは知識不足で、2つの分野を横断して研究するのは大変でしたが、先生方が親身になって相談に乗ってくださり、恵まれた環境で挑戦できていると実感しています。

今後の目標や将来への抱負をお願いします。

卒業までに、現在取り組んでいる研究で目標としている成果を出し切りたいです。まずは現在開発している抗菌薬について、耐性菌に対して高い抗菌活性を実現させることです。その上で、現在課題となっている生体への毒性を抑えつつ、体内でも安定性を保った抗菌薬の骨格を確立させたいと考えています。将来は、研究で培った分析力・課題解決力を生かし、医療や社会に良い影響を与え貢献できる仕事に携わりたいです。

休日の過ごし方や普段のリフレッシュ方法について聞かせてください。

楽天球場でビールの売り子のアルバイトをしています。体を動かしながら多くの方と関わることができる時間が良い気分転換になっています。シーズン中は研究との両立は大変ですが、メリハリをつけてどちらも全力で取り組んでいます。みんなでわいわい観戦する球場の雰囲気が好きで、野球が好きな方はもちろん、よく知らないという方も楽しめる場所だと思います。また、星陵キャンパス周辺にはすてきなカフェやごはん屋さんが多く、散歩をして、おいしいものを食べてゆっくり過ごす時間が好きです。

岡峯 真優(おかみね まゆ)

富山県出身。2025年に東北大学大学院医学系研究科 保健学専攻 感染病態学分野に入学。