
《aya文字シリーズ》 遠藤綾
社会福祉法人ほのぼの会「わたしの会社」所属
2025.12.19 Fri
LIFE GALLERY は、1人のアーティストに焦点をあて、その作品をトップページのカバーアートとして紹介するページです。今回は、2025年12月からの特集テーマ「社会?」と連動し、社会福祉法人ほのぼの会「わたしの会社」に所属する遠藤綾さんの作品を紹介します。お話は、同施設職員の上遠野莉奈さんに伺いました。
綾さんの制作活動は、日々の生活の中でどのような位置付けなのでしょうか。
綾さんの制作活動は、すべてがご自身のリズムに沿って進んでいるような印象です。施設に来たら、荷物を下ろし、荷ほどきをし、ノートを確認し、ペンを並べる…、その一連の流れが彼女の中でしっかり決まっています。また、「今日はこれをしたい」という思いが明確にあるため、職員が「これやってみない?」と提案する必要がほとんどありません。困った時だけスタッフを呼ぶ程度で、本当に「一人の表現者」という印象があります。



綾さんとの関わりの中で、上遠野さんが影響を受けたことはありますか。
私は美大を卒業して制作活動を続けていますが、綾さんがあれほど自分の創作物に夢中になれる姿は、いつ見ても羨ましいと感じます。常に夢中で、熱が尽きることなく進んでいく姿が本当にかっこいい。とはいえ、周囲の影響もよく吸収する柔軟さも持っています。施設の仲間が面白そうなことをしていると興味を持って近づいていく。自分の創作に向き合いながらも、周りをきちんと見て吸収し、それを自分の表現として昇華していく。その姿勢もすごく素敵です。


施設では、障害のある人たちの活動を「社会」に開いていく取り組みをされていますね。
施設の理念には「地域の方々との交流を大切にする」という項目があります。散歩中に地域の人と挨拶を交わしたり、施設が運営するお店でお客さんとやりとりしたりと、交流の形はいろいろあります。そんな中で、綾さんの場合は、創作物を通して人とつながることができていると感じます。言葉ではなくても、作品が社会との架け橋になっているんです。
障害のある人たちの社会とのつながり方も、本当に人それぞれで、そこには豊かな個性があります。「障害は個性」という言葉が語られるようになってきましたが、まさにそのことを実感する場面が多いと感じています。
個性が既存の社会の枠組みに当てはまらず、従来のものさしでは評価されない場面もあります。ならば、ものさしのほうを増やしてしまえばいい。個性が輝く「新しいものさし」をみんなで作っていけば、誰の中にもある「違い」がそのまま肯定される社会が少しずつ広がっていく。そんな未来を願っています。
Text アイハラケンジ
Photo 三浦晴子
遠藤綾(えんどう あや)
1987年生まれ。現在、社会福祉法人ほのぼの会「わたしの会社」(山形県山形市)所属。