その頭痛、大丈夫?
遠藤英徳(東北大学病院 脳神経外科 科長)
2026.11.6 Fri
特徴理解し受診、治療を
これまで人生を送ってきた中で、誰もが一度は頭痛を自覚したことがあるのではないでしょうか。頭痛持ちは日本におよそ3000万人いると言われています。しかし、全ての頭痛が命に関わるというわけではありません。
大きくは2分類
頭痛は大きく分けて1次性頭痛と2次性頭痛に分類されます。1次性頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など同じような頭痛を繰り返す、いわゆる慢性頭痛が含まれます。命を脅かす怖い頭痛ではありませんが、仕事や学校などの社会活動に支障を与えることが少なくないため、問題視されてきました。
近年、片頭痛に対する新薬が数多く登場し、長年苦しんだ片頭痛から解放される患者が増え、頭痛持ちの患者にとって明るいニュースとなっています。新薬を予防的に使用することで、仕事や学校に休むことなく通うことができるようになり、生活の質の改善に結び付いたからです。
2次性頭痛には、「くも膜下出血」「脳内出血」「脳梗塞」「脳腫瘍」などの疾患を要因とする危険な頭痛が含まれます。これらの疾患に対しては、手術やカテーテルなどの外科的治療を要する可能性もあることを知っておく必要があります。
2次性頭痛では、頭痛の程度は背景疾患によってさまざまです。2次性頭痛の代表格であるくも膜下出血では、雷鳴頭痛と呼ばれる過去に経験したことのない突発性の激しい頭痛が特徴です。
突然の頭痛を主訴に自身で病院を受診する場合もありますが、重症例では頭痛に続いて嘔吐(おうと)や失禁を伴い、意識を失って倒れて、救急車で搬送されることも珍しくありません。くも膜下出血は、脳動脈瘤(りゅう)と呼ばれる脳血管に生じるこぶの破裂が原因であり、救命するために緊急手術が行われます。
破裂する前の脳動脈瘤は、未破裂脳動脈瘤と呼ばれます。未破裂脳動脈瘤の多くは無症状ですが、無症状であっても脳ドックなどの画像検査で事前に発見されることがあります。こぶの大きさや形によっては予防的に外科治療を受けるよう、お勧めすることもあります。
画像検査を勧奨
脳腫瘍による2次性頭痛では起床時の頭痛が特徴で、それに加えて手足の脱力やしびれ、言葉のもつれ、物が二重に見える-などの随伴症状を伴うことがあります。これらの随伴症状がある場合には、専門病院を受診してMRIなどの画像検査を行い、早期診断、早期治療に結び付けることが重要となります。
このような1次性頭痛、2次性頭痛の特徴をよく理解して、状況に応じてクリニックや専門病院への受診を考える必要があります。
河北新報掲載:2023年12月22日
遠藤 英徳
(えんどう ひでのり)
岩手県出身。2001年東北大学医学部卒業。米国スタンフォード大学、広南病院脳神経外科部長・副院長などを経て、2023年に東北大学大学院医学系研究科神経外科学分野教授、東北大学病院脳神経外科科長に就任。