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〔いのち)の可能性をみつめる

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身体に優しい治療法~IVR

高瀬圭(東北大学病院 放射線診断科 科長)

画像駆使、大きく切らず

術後、早い回復

 病気の治療というと、薬や手術を思い浮かべる方がほとんどと思います。しかし「身体への負担をできるだけ少なくしながら病気を治す」、もう一つの選択肢があります。「インターベンショナルラジオロジー(IVR)」です。日本ではIVRをそのまま「アイ・ブイ・アール」と呼ぶことが多く、海外では真ん中のVが付かずにIR(アイ・アール)と言います。

 IVRはエックス線透視、超音波、CTなどの画像を見ながら細い針やカテーテルを体内に進めて行う治療です。おなかや胸を大きく切ることなく治療できるため傷は数ミリで済むことが多く、痛みや体への負担が少ないのが特徴です。治療後の回復が早く、入院期間も短い傾向があります。

 IVRは肝臓がん、腎臓がんなどの腫瘍をはじめ、病気や事故による出血、子宮を温存しながらの子宮筋腫といった多くの領域の治療に適応します。近年は高血圧の原因となる副腎の病気に対しホルモンを分泌する腫瘍を針で焼いたり、薬の効かない高血圧に対して血圧を上げる命令を出す神経をIVRで焼いたりする治療も認可されました。動脈硬化で細くなった血管を小さな風船で拡張することや、逆にこぶのように太くなった血管を中から治すこともできます。新しい治療法と医療機器が次々に開発され、治療できる病気の範囲は年々広がっています。

選択肢に広がり

 「放射線診断医」はCTやMRIの画像から診断する印象が強いと思いますが、画像を駆使して治療するIVRも専門としています。

 IVRはこの20~30年で急速に発展した比較的新しい医療です。一般の方には十分知られておらず、専門外の医師にも最新の状況が広く知られているとは限りません。本来なら身体への負担が少ない治療を受けられる可能性があっても、その選択肢が検討されていないこともあります。

 もし病気治療の説明を受けた際は「私の病気はIVRでも治療できますか」と主治医に尋ねてみてください。IVRが妥当ではない病気もありますが、思いがけず身体への負担が少ない治療という選択肢が見つかるかもしれません。

 放射線診断医を解説した動画を作ったので、興味のある方はご視聴ください。

※放射線診断医の解説動画はこちらから

河北新報掲載:2026年7月24日

高瀬 圭
(たかせ けい)

栃木県出身。1989年東北大学医学部医学科卒業。国立循環器病センター、石巻赤十字病院、フンボルト大学シャリテ病院、東北大学放射線診断科助教、准教授を経て2015年より同大大学院医学系研究科放射線診断学分野教授、東北大学病院放射線診断科科長に就任。

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